第14回 イノベーション10の鉄則

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10の鉄則

ビジネスモデル・イノベーション10の鉄則

ここまでの連載では、ガスマンらが提唱するビジネスモデル・イノベーションの要諦を説明し、さらに「55の勝ちパターン」のいくつかを解説してきました。

最後に、ガスマンらが掲げる「イノベーション10の鉄則」をご紹介します。これはあらゆるビジネスモデル・イノベーションの指針となるものです。新たにイノベーションを目指す方は、この「10の鉄則」を軸に考えることをお勧めします。

1 経営トップの支援を得る

あなた自身が経営者である場合は別ですが、多くの場合、せっかくの革新的なビジネスモデルもまずは自社の経営トップの支援が得られなければ始まりません。新ビジネスが自社にもたらすメリットや、同業界や他業界におけるイノベーションの成功事例を粘り強く訴え、トップの関心を引き出すことが肝要です。

2 組織横断チームで臨む

革新的なビジネスモデルは、縦割りの組織からは生まれてきません。様々な部署から様々な経歴の人材を集め、また、全員が共通認識を持つよう徹底することが重要です。さらに、ガスマンらは、チームに必ず部外者を参加させることも奨励しています。部外者の目線こそが業界の常識を打破する鍵になるからです。

3 変化を受け入れる

イノベーションを成し遂げるためには、変化を受け入れ、他人の指摘を真摯に受け止める心の準備が必要です。別人になったつもりで現状の事業構造に疑いの目を向けたり、自社を取り巻くエコシステム(周辺環境)の変化の観察・分析を常に怠らないことが大切です。今うまくいっているビジネスモデルも、将来的には危機に晒される可能性が十分にあると考え、その兆しをキャッチできるようにしておくことです。

4 社内や業界の常識を乗り越える

既存の常識を乗り越え、新たなビジネスモデルを打ち出すツールとなるのが、ガスマンらの提唱する「ビジネスモデルの55の勝ちパターン」です。この連載では全てを紹介することはできませんでしたが、ぜひ「ビジネスモデル・ナビゲーター」を紐解き、55のパターンを自らの頭で理解してみてください。

原則は「類似と対極」です。自社の事業と近いモデルを取り入れるのはもちろんのこと、自社事業とかけ離れたモデルも試してみることが重要です。

5 オープンな文化を作る

イノベーションは、失敗やリスクを必ず伴います。チームに参画するメンバーには、失敗を恐れず新たなアイデアを無制限に出してゆく自由を与えるべきです。アイデアを否定的に捉えるのではなく、斬新な発想をいかにビジネスに結び付けられるかを考えることが大切です。

6 繰り返しの手法を使う

イノベーションの成功のためには、試行錯誤と仮説の検証が必要不可欠です。重要なのは創造性と規律の間でバランスを取ることです。時間をかけて努力を積み重ねることはもちろんイノベーションにおいても重要ですが、仮説の検証はすぐに取り組めばよく、むやみに時間を空ける必要はありません。

7 仮説にのめり込まない

6で述べられているように、イノベーションは試行錯誤を繰り返して完成するものです。初期段階のビジネスモデルの仮説はほぼ間違っていると捉え、顧客ヒアリングなどを経て仮説を大胆に変更していきましょう。あらかじめ別のシナリオを用意しておくことや、そもそも何を達成すれば成功と呼べるのかの定義を定めておくことが重要です。

8 プロトタイプ手法でリスクを限定する

プロジェクトのリスクを限定するためにガスマンらが推奨しているのが「プロトタイプ」を用いることです。プロトタイプの例には、詳細な資料、顧客へのヒアリング、初期の市場参入のためのパイロットプロジェクトなどが挙げられます。

日本でも百聞は一見にしかずと言いますが、一回のプロトタイプの試行は、千枚の図を描くことと同等の価値があるといいます。思いついたアイデアは、まずプロトタイプとして形にすることを考え、そしてスピード重視で試行を行いましょう。それにより、ビジネスモデルへのフィードバックを早期に行うことができます。

9 ビジネスモデルの成長のための肉付けをする

ビジネスモデルがうまく成長していくためには、様々な方面からの肉付けが不可欠です。最初の内は具体的な目標設定よりもチームの自由度を優先することや、ビジネスモデルを推進するための環境を用意して外部の干渉から保護することが求められます。短期的な結果を求めるのではなく、長期的なメリットが得られるように誘導することも重要です。

10 先頭に立って変革のプロセスを進める

あらゆるプロジェクトに共通することかもしれませんが、ビジネスモデルのイノベーションにおいても、他の社員の手本になるような率先的な変革プロセスの推進が重要です。イノベーション似関する社内の理解を促進し、また社外からも好意的に見られるように気を配るのです。さらに、新たなビジネスモデルを推進するために必要なスキルが社内で不足しているなら、積極的に身につけることも必要になってきます。